玉手箱コラム
2025.04.16
◆骨董コラム◆茶道具の歴史や道具の種類など
こちらの記事では茶道具の歴史や使用する道具の種類、用途についてご説明します。
茶道具の歴史
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茶道具の歴史は日本の平安時代末期に始まります。臨済宗の開祖・栄西が中国から抹茶の作法とともに伝えたのが始まりです
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当初は貴族や僧侶など限られた人々の間で楽しまれていましたが、やがて武士や町人にも広がりました
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戦国時代には、織田信長や豊臣秀吉などの大名が茶道具を「権力の象徴」として重視し、名品の収集が盛んになりました
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安土桃山時代には千利休が登場し、「侘び茶」の精神とともに日本独自の茶道具(和物)が発展しました
主な茶道具の種類と用途
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茶碗(ちゃわん)
抹茶を点てて飲むための器。季節や流派によって形やデザインが異なります -
棗(なつめ)
抹茶を入れる小さな容器。ナツメの実に似た形で、主に薄茶用に使われます -
茶杓(ちゃしゃく)
抹茶を棗からすくい取るための細長い匙。竹製が一般的です -
茶筅(ちゃせん)
抹茶とお湯を混ぜて泡立てるための竹製の道具。穂の細かさで用途が異なります(濃茶・薄茶) -
水指(みずさし)
お茶を点てる際に使う水を入れておく器。陶器や金属、ガラス製などがあります -
柄杓(ひしゃく)
釜や水指から水やお湯をすくうための竹製の杓。季節によって形が異なります -
釜・茶釜(ちゃがま)
お湯を沸かすための鉄製の釜。茶室の炉や風炉にかけて使います -
香合(こうごう)
お香を入れる小さな容器。茶席の雰囲気を整えるために使います -
掛け軸(かけじく)
茶室の床の間に飾る書や絵。季節や趣向に合わせて選ばれます -
建水(けんすい)
茶碗や茶筅をすすいだ水を捨てるための器 -
袱紗(ふくさ)
茶道具を清めるための布。色やたたみ方に作法があります -
花入(はないれ)
茶室の床の間に飾る花を入れる器 -
扇子(せんす)
挨拶や礼儀のために使う小さな扇子。仰ぐためには使いません -
懐紙(かいし)
お菓子をのせたり、口元を拭いたりするための和紙
まとめ
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茶道具は、茶道の歴史とともに発展し、時代や流派によって多様な種類があります。
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それぞれの道具には役割と意味があり、茶会の流れや作法を支えています。
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初心者の方でも、道具の名前と用途を知ることで、茶道の世界をより深く楽しむことができます